YO茶の足跡残す日記

日々感謝の気持ちで、思う事をいろいろ書いていきます。

私とCCIEその3(Storage編)(少しだけ追記しました)

さて、私とCCIEの3回目。今回はStorage編です。
CCIE Storageと言っても知っている人は少ないんじゃないでしょうか。
そもそも、Storageという名前ですが、試験で実際に設定するのはStorageそのものではなく、「SAN」(Storage Area Network)を構成するプロダクトなのです。CiscoはStorage屋ではなく、Network屋ですからね。

#UCSの登場でそうとも言えなくなってきたか。。


正直言いまして、CCIE Storage取得の動機に関しては、どちらかというと業務のためとか自己啓発というよりは、


「トリプルホルダーの称号が欲しい」


ということだったかなと思います。自分が成し遂げられる物事の中で、世界で数百人だけ、持っている組み合わせを考えるとひょっとして世界で一人だけかもしれないというものがどれだけあるのか。正直、そんな誇れるものがほしいという思いが強かったのは確かでした。




CCIEも3個目ともなると、かなり勉強のコツがわかってくるようになってきます。そんなこともあって、Paperはおかげさまで1発合格しました。



さて、これまでのTrackはlab環境があったのですが、今回のSANについてはさすがにLabがありませんでした。そこでオンライントレーニングを使って実機を触るという初の手法で勉強していきました。



私が受けた当時のSANは対象プロダクトが少ないこともあってか、R&SやVoiceに比べると全範囲を網羅するのにそれほど時間がかかりませんでした。MDSはSANOSというIOSとは異なるOSで動いているのですが、使い勝手はIOSとそれほど変わりません。なのでそこまで苦労したという印象はありませんでした。


SANの試験会場はUSのRTPか、ベルギーのブラッセルしかありません。やはりまだ英語圏のほうがいいと考え、RTPでの試験を選択しました。(ブラッセルも英語でなんとかなるとは思うんですけどね)



1回目の挑戦。USでも州と地域が変わると、雰囲気も全く違うものですね。RTPはノースカロライナ州にあり、日本から直通では行けません。まずワシントンDCまで行き、国内便のローリィ(ノースカロライナ州の州都)に乗り継ぎます。国際線とは異なり、USの国内線となると当然ながらネイティブしか搭乗してません。アナウンスも異常なくらい早口でしゃべってます。何を言っているか全然聞き取れません。西海岸とはまた雰囲気が違います。



当時はまだ9.11同時多発テロの影響もあって、搭乗時のボディチェックが異常な程厳しかったです。機内には飲み物を購入して持ち込むことが一切できません。テロがUSに与えたインパクトの大きさを感じます。



さてRTPですが、ここはまあ、はっきり言って田舎です。ただ、試験当日に向けてやるべきことは決まっています。


・ホテルから試験会場まで前日にレンタカーで走っておく
・試験ノートの最終チェックとイメージトレーニング


まあ、このあたりはいろんな方が書かれている通りです。



さて試験当日。RTPの集合時間は他の会場よりも早く、朝7時です。ブリーフィングの説明を受け、試験に臨みます。
最初に問題を見ましたが、思ったよりは難しい問題はありません。これ、ひょっとしたら1回で合格できるかも、とまで感じました。



しかし、そんなに甘くないのがCCIE。のっけから思いもよらない「落とし穴」に引っかかってしまいました。プロクターに問い合わせると、なんと「Storageのプロクターがまだきてないからくるまで待て」。。おいおい、ここが進まないと何もできないんだよ。強く抗議し、電話連絡をしてもらいました。



結果としては私の勉強不足が原因だったのですが、結局このことで30分以上ロスしてしまいました。



そこからは比較的順調に進んでいきます。ただ途中ではっきりしたことがあります。

「合格はないな。」

勉強してきたとは言え、やはり細かい部分までおさえきれていませんでした。結果については、予想通りFail。試験中に確信が持てない状態で合格はありえません。さてもまた出直しです。



ところで、以前ブログでも書いたのですが、RTPで厳しかったのは昼食です。RTPではケータリングの食事が試験会場の会議室内に用意されます。この食事がまあまずい。油まみれの肉と野菜を炒めたもの、かなりまずいパン、唯一手が出せたサラダ、そしてデザートの甘すぎるケーキ。。。



私はそれほどグルメでもないので昼食に不満を感じたことはなかったのですが、RTPはひどかった。。



東京>サンノゼ>>>>RTP



という感じです。



さて、2回目への挑戦。毎回ですが、同じように細かい部分を潰していきます。今回はかなり効率よく行っていけたと重います。当然、夢でのコンフィグも始まっています。精神状態的にもいい感じになっています。



そして2回目。RTPでの挑戦です。まあ、驚く程順調です。初めてですね。「満点だな」と確信したのは。かなりの時間を残して終了できました。見直しも3回実施しました。



そして試験終了後、これも以前ブログに書きましたが、プロクターから「試験結果は2時間以内に届くから」と信じられないようなことをいわれ、ここで合格だなという気持ちがかなり強くなりました。



RTP会場の入り口入ってすぐ右手には「Wall of Pain(苦しみの壁)」というものがあります。壁一面に大きな模造紙が貼ってあり、そこにはおそらくCCIEにPassしたであろう人達のサインが所狭しと書いてあります。



プロクターに「俺は既に2つもっているのでサインしてもいいか?」と聞いたらOKと言われたのでサインしてきました。さらに「写真をとってもいいか?」と聞いたら許可してくれたので記念に撮影しました。



これがWall of Painです。






なんか、過去のCCIEと戦ってきた人たちの歴史を感じます。



ホテルに戻り、夕食を終えてからメールチェックをしたら、本当にスコアレポートが届いていました。ほぼ確信しつつもやはりドキドキしながら結果を確認。



PASS。



今回はゆっくりと喜びを噛み締めることができました。
これで私も世界で数百人しかいないトリプルホルダーの仲間に入れたと。



ところで、RTPに関しては飛行機の搭乗トラブルに巻き込まれました。合格した次の日帰国するためワシントンDC行きの便に乗ったのですが、乗ってから何やらスタッフが慌ただしく動き出しました。しばらくしてメカニックらしき人がコックピットに飛び込んできます。しばらくして



「今からシステムをリスタートします」



えっ??再起動??かなり不安になります。
それでも何かが直らなかったらしく、「降りてください」とのアナウンス。私の搭乗した便は欠航となってしまいました。



当然ながら次の便に振り替えてもらうのですが、そこが長蛇の列。2人のスタッフで到着便の受け入れ、出発便のチケット確認、そこに追加で我々の振替対応をしています。ワシントンDCから成田行きの便は12時です。作業は遅々として進みません。



結局私に順番が回って着たのは13時。もうどうしようもありません。その日中に帰宅することは不可能となりました。
仕方ないので次の日に変更し、ワシントンDC行きはどうも縁起が悪いのでシカゴ経由成田行きに変更しました。



もう1日延泊です。まあ、これもゆっくりしなさいというご褒美なのかなと切り替えて、RTP のショッピングセンターなんかを散策したりしてゆっくり過ごしました。



さて次の日。シカゴ行きに搭乗します。前日振替の列に並んでいた人が並んでいて、搭乗手続きの窓口はすごい列です。そうこうしているうちにシカゴ行きの時間が迫ります。スタッフが「シカゴ行きの人は前へ!」といってくれたのでショートカットして手続きします。あ、昨日ちんたらやってたスタッフだ!「今日は昨日みたいなトラブルがないことを祈るよ」と少し嫌みをいって搭乗口に向かいます。



今回は無事滑走路まで飛行機が移動しました。ホッ。



しかし。。。そこから動きません。。なんだ??アナウンスがあります。



「天候不良のために様子見です。」



えええええ???まさか、また飛び立てないのかぁ??



1時間後、なんとか飛行機は離陸しました。そして無事帰国。




海外一人旅でのトラブルはなかなかきついものがあります。でもまあ良い経験になりました。



CCIEへの挑戦は、本当に苦痛との戦いです。さながら水に顔をつけてでどれだけ息を止めていられるかという我慢比べをやっているような気分です。
もしも、「あなたが合格したTrackのLab試験をもう1回受けろといわれたらあなたは挑戦しますか?」と聞かれたら私は迷わず即答します。




「もう二度と受けたくありません。」




これが正直な気持ちです。


しかしながら3つのCCIEへの挑戦を通じ、私を大きく成長させてくれたと思っています。技術的な面だけではなく、精神的な面でも鍛えられたのです。




「私とCCIE」シリーズは次回で最終回にしたいと思います。私がCCIEへの挑戦に対してどんな思いを持っているか現在の心境を書いてみようかなと思います。





それではまた。




#日々感謝 m(_ _)m