サービスって
サービス。日本では「無料で奉仕してくれるもの」というイメージが非常に強い言葉である。しかし、ビジネスシーンにおいては「有償」で提供するサービスというものが存在する。お金を払って提供を受けるサービスには、無料で受けるサービスよりも「価値の高い内容」が含まれるべきである。
では、その価格というものはどうやって出すのだろう?
結局は、そのサービスを対応する人件費などから割り出されるのである。積算をするときにはそれで良いのだと思うが、お客に見積もりを出すときには工数でという訳にはいかない。サービスメニューのようなものを考え、サービス単価で提示することになるのだと思う。
そのサービスを対応する人、スキルセットを持っているかどうかの判断は会社が定めたグレードで判断するのが一般的だと思う。普通、グレードに応じてその人の単価が決まるので、高いグレードの人がサービス対応するほど、サービス価格は高くなる。
ここに大きな問題が出てくる。
同じグレードの人のスキルセットは、本当に問題ないのか?
当然ながら、そのサービスを提供する「人」によって、サービスの品質にばらつきがあってはいけないのである。
しかし、高度な技術力や知識が必要とされるサービスとなると、高いスキルを持った人材をそんなに多く確保することは難しい。だから担当者によってスキルのバラつきがかなり発生する。グレードが必ずしもその人のスキルセットを保障するものではないのだと私は確信している。
自分の環境の話になるが、対応できる人がそもそも少ないわけだから、ビジネスがスケールするはずがない。かと言って、自社で人材を育てるようなことは一切考えない。即戦力を社外に求めようとする。
はっきり言おう。社外には、うちのサービス対応ができる即戦力なんて絶対にいない。
別に自分たちのスキルが高いなどと自慢しているのではない。どの会社に入ってもそうだと思うが、特定の高いスキルを持ったとしても、その会社会社特有のプラスアルファなスキルや知識が必ず必要になってくる。特にメーカーのエンジニアとして採用される場合、社内情報にアクセスできない限り、社内にいるエンジニアにかなうはずがないのである。(営業さんというのはまた別なのだと思うが。)
社内で育てるプロセスを作らなければ、今いる人材がどんどん高齢化し、その人たちが引退したらそれで終わり。社外に発注したら、ノウハウが外出してサービスは先細り。
まるで、今の日本の少し前の姿が凝縮されているようだ。トップの考えが変わらない限り、きっとこの状態は変わらないだろう。
私がよく読んでいるブログの中で、「ガレージ兵頭さん」という方が書かれているブログがある。
CCIEブロガーとして非常に有名な方で、ご自身でガレネットという会社を設立された。直接お目にかかったことはないのだが、ブログを読む限り、エンジニアの底上げをしたいという意志が感じられる。きっとすばらしい会社だと思う。
そう、こういった底上げが絶対に必要なのである。
今の会社で約9年働いて、企業とはやはり利益を追求する組織なんだとつくづく感じる。外資系だからなおさらなのかもしれない。そこから給料をもらっている訳だからえらそうなことは言えないのだが、以前からずっと違和感を感じている。
今日はここまで。
#日々感謝 m(_ _)m