YO茶の足跡残す日記

日々感謝の気持ちで、思う事をいろいろ書いていきます。

自民党が発表した日本国憲法改正案を考える(その1:前文編)

さて、今日は少し腰を据えて書いてみたいと思います。
先に言っておきますが、今回はかなり長いです。途中でしんどくなると思います。。
ま、まあブログは自己満足なところもあるのでご容赦を。。




みなさんは「日本国憲法」という言葉をご存じですよね。知らない人はいないと思います。では、「憲法」とはなんでしょうか。世の中にいーーっぱいある「xxx法」と何が違うのでしょうか。



日本国憲法は、日本国の最高法規に位置付けられます。つまり、すべては日本国憲法に書いてある決まり事が一番上位なわけです。日本国を形作る根本となっている決まり事だということです。よってこの日本国憲法の決まりごとに従って、様々な法律や法規が定められていくのです。


日本国において、日本国憲法に違反するような活動や制度、組織は許されません。日本国憲法というのはとても重要な、日本国民の運営の礎となるものなのです。


ご存じの方も多いと思いますが、自民党は結党以来、憲法改正が党の悲願でした。第二次世界大戦後、GHQの強い指導の元作成を余儀なくされた日本国憲法を改正することを党是としてきたのです。にも関わらず、長年与党でありながら変更実現することはかないませんでした。


その理由は様々ですが、最も大きな壁は憲法第96条にあります。それはどんなものか。


「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。」


つまり、衆議院参議院とも議員総数の3分の2が賛成しなければならないのです。さらに、その後国民投票を実施し、過半数が賛成しなければならないのです。


戦後、衆議院参議院とも与党が3分の2を占める、「圧倒的多数」という状態になることは極めて難しいのです。最近ではあの小泉政権がそうでしたが、それでも憲法改正に踏み込むことはありませんでした。



さらに、最近まで国民投票を行うための法律・仕組みすら整備されていなかったということがあります。
しかしこれは、安倍晋三内閣のとき「国民投票法」という法律が作られ、憲法改正を行うための素地ができました。


ただ、この法律だけでは憲法改正の細かい手続き、運用まではできないため、国会内に「憲法審査会」を設け、具体的な議論を進めることになっています。


この組織は平成19年8月7日から設けると定められていますが、実際には全く動いていません。そもそも現与党である民主党には党として憲法改正の意志はないので、仕方ないっちゃあ仕方ないのかもしれません。「それどころじゃない」というのが本音なのでしょう。





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さて、ここまでは前置きです。



す、すいません。。




本題はここからです。




2月27日に、自民党は第二次憲法改正案を発表しました。その内容についてはニュースで概要を読んだだけで全文が入手できていません。(いろいろ検索したけど引っ掛からないのです。どなたかリンクをご存じであれば教えていただけないでしょうか??)
憲法条文全てについてあれこれ書いていくととんでもなく長くなります。なので今日は前文に絞って思うところを書きたいと思います。



まず、現行憲法の前文を読んで思うのは、「あぁ、この前文は終戦時の厭戦世相(の部分)を色濃く反映したものだなぁ」ということです。私が現行憲法の前文に不満なのは、この文には「国民は自分達で外敵からの理不尽な圧力や行動と戦う」という姿勢が抜け落ちていることです。


だから、北朝鮮による拉致事件が起きたわけです。北朝鮮は、あのような卑劣な行為を行っても、自衛隊が反撃することがないとわかっているから、大胆で卑劣な拉致を繰り返してきたのです。



「(現行憲法より抜粋)・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」


「平和を愛する諸国民」とはどこの国ですか?そして公正と信義に信頼して、外交でいいようにやられているのではないですか?われらの安全と生存を保持できていないではないですか。日本国民が拉致され、今だに解決していないではないですか。



日本国民が世界平和を願うことと、国軍をもつことは矛盾しません。平和を願うのはどんな紛争が多い国であっても世界共通です。しかし、みな国軍をもち、外敵からの侵略に威嚇・対抗できるようにしています。
(もっとも、GHQが草案を作り、押しつけたとも言われていますから当然と言えば当然かも知れません。)



さて、今回の自民党改正案ですが、先も書いたとおり草案の前文をまだ見ておれません。(どこかに掲載されているのかな?ご存じの方はおしえてくれませんか?)しかし、ニュースを見た限りでは、戦後60年以上が経過し、その日本国憲法のもと発展してきた結果、現行憲法で生じた様々な欠点を修正しようという意図が感じられます。



「原案では前文はすべて改め、日本国民は平和主義と国際協調に徹し、民主主義を基調とする世界の平和と繁栄のために貢献すると記した。(読売新聞より)」



ちなみに2005年10月28日に発表された、中曽根元首相作成素案は格調高く感じます。それはこんな前文です。ちょっと長いですが引用しますね。



「 日本国民はアジアの東、太平洋と日本海の波洗う美しい島々に、天皇を国民統合の象徴としていただき、和を尊び、多様な思想や生活信条をおおらかに認め合いつつ、独自の伝統と文化をつくり伝え、多くの試練を乗り越えてきた。
 日本国は、主権を持つ民主主義国家で、国政は国民の信託に基づき、国民の代表が担当し、その成果は国民が受ける。
 日本国は、自由、民主、人権、平和、国際協調を国の基本として堅持し、国を愛する国民の努力によって国の独立を守る。
 日本国民は正義と秩序による国際平和を誠実に願い、他国とともに協力し合う。国際社会において、圧政や人権の不法な侵害をなくすため不断の努力を行う。
 日本国民は、自由とともに公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実を図り、教育の振興と文化の創造と地方自治の発展を重視する。自然との共生を信条に、美しく豊かな地球環境を守るため力を尽くす。
 日本国民は、大日本帝国憲法および日本国憲法の果たした歴史的意味を深く認識し、現在の国民とその子孫が、世界の諸国民とともに、さらに正義と平和と繁栄の時代を内外につくることを願い、日本国の根本規範として自ら日本国民の名においてこの憲法を制定する。」



今のところ、私が知る前文案の中ではピカイチです。




憲法案というのはメディアからも提言されたりします。読売新聞が1994年11月3日に、「読売新聞日本国憲法改正試案」というものを発表しました。その前文を引用します。



「日本国民は、日本国の主権者であり、国家の意思を最終的に決定する。国政は、正当に選挙された国民の代表者が、国民の信託によってこれに当たる。
 日本国民は、世界の恒久平和を念願し、国際協調の精神をもって、国際社会の平和と繁栄と安全の実現に向け、全力を尽くすことを誓う。
 日本国民は、基本的人権が尊重され、自由で活力ある社会の発展をめざすとともに、国民の福祉の増進に努める。
 日本国民は、民族の長い歴史と伝統を受け継ぎ、美しい国土や文化的遺産を守り、文化及び学術の向上を図る。
 この憲法は、日本国の最高法規であり、国民はこれを遵守しなければならない。」



これ、私からするとお役所的で、文章に感動を覚えられません。なんでしょうか、書いてあることはその通りですが、中曽根案からすると、杓子定規で「つまらない」のです。


前文に求められることというのは、


「2000年に及ぶ長い日本の歴史から、日本とは天皇陛下のもと国民が平等であるいう国体であったということを踏まえ、これらの形を維持しつつ、日本国民の幸せのために、また世界平和の維持に貢献するために「あたりまえの国家の形」にたちかえるという姿勢」


をうたう事なのではないかと思ったりするわけです。





フーーーーーー。



・・・すいません、草案の全文を読んでもいないのに、長々と書いてしまいました。





次回はそうですね、第一章「天皇制」あたりについて考えたいと思います。また長くなるんだろうなぁ。。。




長々と書いた駄文を最後まで読んで下さった方、本当にありがとうございました。



#日々感謝 m(_ _)m