YO茶の足跡残す日記

日々感謝の気持ちで、思う事をいろいろ書いていきます。

永遠の0(ゼロ)(文章書き直しました)

みなさんは「永遠の0(ゼロ)」という本をご存知でしょうか。


この本は2006年に刊行されていた小説ですが、私はその存在を全く知りませんでした。ほん最近、Facebookを通じて会社の先輩からこの本を奨められました。ミーハーな感じで恐縮なのですが、かっこいいそのタイトルに惹かれて読んでみることにしました。あらすじはだいたいこんな感じです。


###ここから###


人生の目標をが見えず、日々をなんとなく過ごす主人公の佐伯健太郎が、フリーライターの姉、慶子とともに特攻で死んだ自分たちの祖父・宮部久蔵のことを調べ始めます。


祖父を知る戦友の方々にインタビューを行うのですが、祖父に対する評価が真っ二つにわかれます。「卑怯者」という人もいれば、「天才」という人もいる。その根底に持つ思いは、「絶対に生きて帰り、娘に会うこと。それまでは死ねない。」そのため、天才的な戦闘技術を持つが、危険な戦闘は絶対に行わない。その姿勢が人によっては「卑怯者」と呼ばれる。


そんな祖父が、終戦直前に特攻に志願し、戦死した。多くの戦友の方に話を聞くにつれ少しずつその理由のかけらを拾い集めることができます。そして最後にすべてのかけらがつながり、その理由が明らかに・・


###ここまで###


読んでいて涙が止まりませんでした。電車やバスの中で読むこともあったのですが、本当に泣けてしまい、ハンカチで何度も涙をぬぐいました。自宅で読むときも、泣けて泣けて仕方なかった。



わずか67年前に、あの大国アメリカと真正面から戦い、死んでいった先輩方がいたのだという事実。平和な時代にどっぷりとつかり、大東亜戦争を社会の教科書に書いてある出来事としか認識していなかったんだという自分に改めて(表現はおかしいですが)驚きました。そんな戦争時代を生き抜いた人達が自身の体験談を、現在の若者(すなわち読者である自分)に語っていきます。その内容は、本当に自分の心の奥底を揺り動かしました。



この本に出てくる戦争経験者の方々の話を読むにつれ、戦争で戦った人たちは、なんら自分たちと変わらないじゃないかと強く思えてきました。戦争がなければ普通に生活していた人達が大多数だったのです。彼らは国のためとかそうじゃなく、大切な家族や友達を守るためという思いで戦った人たちが多かったのではないかと思います。



私たちは、戦後教育によって「戦争は悪いことだ、戦争で戦った人たちは悪い人だ」という思いを刷り込まれ、それを疑うことなく生きてきたと思います。戦争はよくないことです。それを積極的に推進するような政策を前提とすることは絶対にあってはいけません。しかし、戦争で亡くなられた方々を忌み嫌うのは違うとおもうのです。自分達子孫のために戦って亡くなられた方なのです。大東亜戦争というものは、自分にとっては遠い昔の関係ない話だと思っていた自分が恥ずかしいです。


まだ私たちにはのこされた課題があると思うのです。たとえば硫黄島の遺骨に関する問題などがそうです。今もなお、滑走路の下に埋もれる先達の遺骨が多数残っています。この本を読み終え、そこにはまだ小説にあるような方々が眠っていると思うと、本当に心が痛いです。



私には祖父がいました。祖父は、徴兵により戦争に行き、海軍に配属されました。そしてあの戦争を生き抜き、帰還したのです。小さいころ戦争のことで聞いたことのある話で記憶にあるのは、「精神注入棒」というのがあり、それでよくたたかれた、ということ、戦闘によって左手の小指がなくなったことくらいです。今にして思えば、もっと戦争の体験をいろいろ聞いておくべきでした。本当に悔やまれます。



同時に、当時の陸海軍の幹部の「保身ぶり」に心から怒りを覚えます。前線に送られる人たち、ゼロ戦の搭乗員は本当に優秀な人たちだったのでしょう。しかし、それを統率する大本営の無能ぶりからガダルカナル島ラバウル島の悲劇が起きてしまったのだと思うと。。


状況はちがえど、このような情勢は今の日本も変わらないのかもしれません。国を動かす人たちが保身や出世ばかり考え、本当に優秀な国民がくいしばってなんとかしている。結局、日本は戦争をなんら総括していないし、根っこの部分は変わってないんだなとも思ってしまいました。


しかし、だからといって文句だけ言っているのは違うと思うのです。少しでも変わっていくよう自分なりに活動はしていきます。



ちなみに知らなかったのですが、この「永遠のゼロ」は映画化され、来年公開予定なのですね。それはそれで少し楽しみです。



私はまだ知覧やハワイのミズーリ博物館に行ったことがありません。どちらも一度訪問してみたいと思いました。いえ、必ず行きます。





日々感謝 m(_ _)m