YO茶の足跡残す日記

日々感謝の気持ちで、思う事をいろいろ書いていきます。

産経新聞の「国民の憲法」要項を読んでみた(追記しました)

このところ、新聞やメディアには、多くの憲法改正に関するニュースや記事が掲載されています。昨年の今頃に比べると、考えられないような状況ですね。安倍政権になってから、憲法改正、特に96条の改正に関してまずは一点突破で行くという総理の本気が議員や世論にも伝播したということでしょう。YO茶としてはとてもうれしく、喜ばしいことだと感じています。



昨年、私は自民党が発表した憲法改正案について、5回に渡って思うところをいろいろと書かせていただきました。



自民党が発表した日本国憲法改正案を考える(その1:前文編)

自民党が発表した日本国憲法改正案を考える(その2:前文編・続き)

自民党が発表した日本国憲法改正案を考える(その3:天皇編)

自民党が発表した日本国憲法改正案を考える(その4:安全保障編)

自民党が発表した日本国憲法改正案を考える(その5:最終回、その他編)



手前味噌ながら、よくこんなに長文を5回も書いたなぁ、と改めて驚いてしまいます。。。


さて、4月26日に産經新聞は、「産經新聞80周年 『国民の憲法』 要綱」という提言を発表しました。1994年に読売新聞が試案を発表したことがありますが、産經新聞としても、満を持しての発表ということなのでしょう。今回は、その内容について、自分の思ったことを書いてみたいと思います。(リンクはこちら


産經新聞の「国民の憲法」は、以下のような章立てで構成されています。


前文
第一章 天皇
第二章 国の構成
第三章 国防
第四章 国民の権利および義務
第五章 国会
第六章 内閣
第七章 裁判所
第八章 財政
第九章 地方自治
第十章 憲法秩序の保障
第十一章 緊急事態
第十二章 改正


「第二章 国の構成」、「第十章 憲法秩序の保障」、「第十一章 緊急事態」といった章が新しく追加されています。



さて、昨年のように、一章ずつ細かく見ていくとすごく長文になってしまうので、自分が(良い意味でも悪い意味でも)心に引っかかった部分を抜粋して感想を書きますね。



全体的には、産經新聞だけあって、保守色の強い条文となっていました。印象に残ったのは、自衛隊の扱いです。明確に「軍」と規定しています。「国防軍」ではなく、「軍」です。これは思い切った表現にしたな、と思いました。しかし、世界標準から行くと自衛隊は「軍」であることは疑いようがありません。そういった意味では明確になっているかもしれません。それに、「安全保障」という表現をやめて「国防」と表現している所も踏み込んだなぁ、と思いました。


また、軍と規定することで、裁判所の章に軍事裁判所の設置を規定しています。(自民党の改正案でも9条の条項の中で記述があります)軍を持つ限りにおいては、軍事裁判所は必須の条項ですね。



自民党の改正案と同じ追加項目も盛り込まれたりしています。天皇を元首と位置づけている点、緊急事態条項、家族の規定、国旗/国家についての記述などです。



前文に関しては、なんといいましょうか、自分には少しわかりにくいな、と最初感じました。例えば、

「・・・よもの海をはらからと願い、和をもって貴しとする精神と、国難に赴く雄々しさをはぐくんできた。・・・」


これ、最初文のつながりがよくわかりませんでした。


好みまもしれませんが、自民党改正案の前文のほうが理解できたし、好きかなぁ。ただ、どちらの前文にも言える事なのですが、世界や国際社会に貢献するというような表現もいいのですが、アジアの民主主義のリーダーという自覚を持ち、アジア地域をリードしていくような決意を表現できたらいいのにな、と思いました。もちろん表現は注意しないと、またアジアの各国を侵略するのか、と非難をあびてしまったりするので。。



天皇の章に関しては、継承に関して「皇統に属する男系の子孫がこれを継承する。」と表現しています。私は、「女性天皇」(女系ではないですよ)の今後の可能性を広げる意味でこの表現には賛成です。「男系の男子」としてしまうと、やはりその幅を大きく狭めすぎるのではないかと思ってしまうのです。


あと、地方自治産經新聞民主党が主張していた「地方主権」をうたうような条文は全くありません。道州制についても言及していませんね。私は、道州制が良い道なのかどうかはまだわかりません。それによって地方が活性化するのでしょうか。区割りをかえただけで劇的に改善するとは思えないなぁ。結局東京が所属する「関東州」と大阪が所属する「近畿州?」が潤い、他の州は財政的に厳しい州ができるだけのようにも思います。どうなんだろうなぁ。


例えば地方交付税の使い道に対しもう少し地方の裁量をもたせるとか、学校教員の人事権に対する自治体の関与を強めるなど改善すべき点はあると思います。しかし、これは憲法というよりは法律で定めることになりますかね。




全体的には、有識者で議論した結果として考えられたことはよく伝わってきました。ただ、なんと言うのか、文章の中に気品というものがもう少しあればなぁ、と何か感じてしまいました。なんとなく、これは「学者が考えた文章」というようなイメージをもってしまいました。なぜこのように思ってしまったのかなぁ。



もう少し丁寧に書きたかったのですが、短い時間でざーっと読んで感じたことでした。



#日々感謝 m(_ _)m