YO茶の足跡残す日記

日々感謝の気持ちで、思う事をいろいろ書いていきます。

映画「永遠の0」を鑑賞した(少し加筆・修正しました)

昨日、今年最初の映画鑑賞に行ってきました。観たい作品はいくつかあったのですが、今回は「永遠の0」にしました。永遠の0は既に小説を読了しており、内容については把握していましたので、今回はどれだけ小説の内容を忠実に描くのかという点に主眼をおいて鑑賞しました。(小説を読んだときに書いたブログはこちらです。よろしければどうぞ。)



内容としては、かなり忠実に描かれていたと思います。ただ、やはり限られた時間の中で小説の細かい部分まで描くことは難しいですね。シーンがポンポンと切り替わって行くなぁ、というような印象を受けました。むしろ、映画の場合はその方が間延びせずいいのかもしれません。


ここからは、思いつくままに感じた事を書いて行きます。


圧巻だったのは、日本海軍の空母。「赤城」での着艦訓練のシーンには純粋に感動しました。日本でもあんな巨大な空母を作って運用できるんじゃないか。それも70年以上も前に。甲板はおそらく木板だったように見えました。男の子なら、空母のシーンはみんな「かっこいい!」と思ったんじゃないかなぁ。これは理屈じゃないんですよね。


零戦の戦闘シーンはとてもリアルでした。その能力の高さやパイロットの能力の高さがよく伝わってきました。個人的にはエンジン音が印象的でした。このエンジン音は、実際の零戦のエンジン音を再現したものなのでしょうか。。



ラバウルで命じられたガダルカナル島への作戦。片道560海里(1海里=約1.8km、つまり1000km!!)を越えるような飛行を強いられ、その後空中戦で激烈な戦闘を行ってからまた同じ距離を飛行して帰ることになります。往復2000km。比較にもなりませんが、私は帰省の際、埼玉から大阪まで片道約550kmを毎年運転します。これだけでも結構つらいものがあります。それに対し、はるかに高速の戦闘機で倍の距離を飛行する。しかも、いつ攻撃をうけるかわからないという緊張感の中の操縦は、今の私では想像できない位、精神的に疲労するであろうと思います。


軍隊という組織は、上官の命令は絶対です。そして、その命令に背くことは許されません。そして、兵士の大多数が



「自分は国の為に闘って死ぬ」



事を普通の事ととらえていました、あるいは受け入れていました。今の自衛隊の方々もこの気概は変わらないのかもしれません。この映画の主人公といってもよい宮部久蔵という人は、その当時のマジョリティの考えに押し流されるのではなく、ひたすら「家族のもとへ生きて帰る」ということを最優先に行動していきます。そのために、毎夜厳しい鍛錬を行うのです。周りから臆病者と言われようと、生きて帰ることを最優先として行動する。



現代の私たちの感覚からすると、この宮部久蔵の考え方のほうがしっくりきます。しかし、当時の軍隊の中で、その思いを貫けたということは、本当に強い意志と高い戦闘能力がないとなし得なかったことなのだろうと思いました。自分だったら、おそらく他の人達と同じような考え方になんの疑問も感じなかったことでしょう。



そんな宮部久蔵も、自分の教え子が無駄死にするとわかっている特攻作戦で散って行くことに対し、なにもできないことで苦しみます。自分はなにもしてあげないのに自分が生き残っていいのか、と。家族との約束との狭間で苦しみ抜いたその様子を、宮部役の岡田准一さんは見事に演じています。



当時の再現シーンもさることながら、その当時の様子を語る人達の言葉には、重みがあります。特に夏八木勲さん。この映画に出演された後、亡くなられました。それだけに、その言葉には、魂がこもっていました。自分の娘と孫に対して、当時の話を伝えられてよかった、という台詞がありました。その言葉に私は胸が痛くなりました。



自分の祖父や祖母から、なんでもっと当時のことを聞いておかなかったんだろう。話したくなかった事もたくさんあったでしょう。けど、その記憶や物語、意志は受け継ぐべきだった。今でも後悔しています。



この映画を通じて私が最も感じたことは、あの大東亜戦争によって亡くなり、英霊となられた方々、そして戦争を生き抜いた人達一人一人に物語があるのだということです。宮部久蔵の話だけが特別なのではなく、すべての人が戦争によって悲しみを抱えながら生きて来たのだと。



私は、否、私たちは、義務教育においてあの太平洋戦争とは日本にとってなんだったのか、ということを掘り下げて教わる事はありませんでした。とにかく日本が悪かったのだ、あの戦争は日本がしかけたのであって、負けた日本がすべて悪いのだ、と教わったと記憶しています。日本軍の兵隊さんは、恐ろしい、心が鬼のような悪魔の集団のようなイメージを植え付けられました。だから私たち子々孫々のために戦い、命を落とされた方々に対して感謝の意を表そうといったことなど教わった事もありません。


しかし、決してそうではないのです。


一人一人に家族がいて、大事な人がいて、そんな人達を思い、死にたくないという思いもあり、そういった「にんげん」の心を持った、私たちとなんら変わらない先輩方が、当時の国の方針によって兵隊となったということなのです。そういった事を気付かせてくれる作品ではないでしょうか。



そういえば、どこかの周辺国は、この映画を「日本の右傾化を助長する」と評しているようですが、それは全くの的外れだと思います。この作品の、どこにそんな表現があるのでしょうか。零戦や日本軍を描いているからでしょうか。どのシーンで、あの戦争を美化しているでしょうか。戦争を支持しているでしょうか。そんなもの、どこにも描かれていません。ただ戦争をテーマとして扱っているということで攻撃対象にしているのでしょうか。私にはさっぱり理解できません。



日本を右傾化させ得る要素という意味で言えば、どこかの周辺国で反日運動を行っていることのほうがよっぽど影響が大きいと思います。(尤も、日本が右傾化しているなどつゆとも思っていませんが。)もうそろそろ理解してほしいものです。


最後に、この映画自体では涙は出ませんでした(笑)最初小説を読んだときには涙が止まらなかったのですが。。あらすじを知っているからでしょうね。もっとも、映画館の中ではすすり泣きがあちこちから聞こえてきました。今回、私は一人で鑑賞しに行ったのですが、子供を連れて家族連れで来ている人や、若いカップルが多かったことには驚きました。若者が多く見に来てくれていることに、私は何か希望を感じました。



まとまりのない感想ですいません。。。




#日々感謝 m(_ _)m