他ベンダー機器の相互接続検証
先週の金曜、私が担当しているプロジェクトは非常に重要なステップを迎えました。これまで進めている新しいシステムの導入作業とは違い、新しい電話システムと、今後も残すことが決まっている既存電話系システムを相互接続するためのテストがあったからです。
実は、この既存システムと今回導入するシステムを相互接続するのは過去に実績がなく、初めてなのです。しかも、相手のベンダーさんのシステムは、検証用の機材を用意できないということで、お客様の実運用環境を使ってテストするしかないという状況。しびれます。
当初、社内からはこのお客様の要望に対して、ネガティブな意見が大勢を占めていました。それはそうですよね。前例がないのですから。しかもお客様の実環境を使ってテストするので、もしも何かシステムに障害を与えてしまったらたいへんだし。検証して、仮にNGであったとしても追加設計・追加検証のためのコストが発生するからお客様に追加費用は請求しないといけないけど言いにくいし。。。
私も怖いな、という気持ちは多少ありました。ただ、早かれ遅かれ、いずれはやらないといけないことで、お客様がそのシステムを使う限りは避けられない事なのです。であれば、今のプロジェクト体制が敷かれている間に少なくとも検証はやってしまったほうがいいと私は思ったのです。仮にやらないとしても、何もしないでやめましょうと言っても、何の説得力もありません。
とにかくプロジェクトマネージャの私がどっちつかずの気持ちで進めてはいけません。当然、問題があったときのリスクを最大限考えないといけないのがプロマネの仕事なので、そこは体制をとらないといけません。関係各社に集まってもらい、キリ戻したときのことまで考慮した上で検証を行う事とあいなりました。
そして当日。関係各社に集まって頂き、検証は始まります。
しかし、ここからは、もうドラマのような展開。次から次へとおしよせる問題。それに対し、参加していたメンバー全員で知恵を絞って解決していく。ひとつ解決したらまた次の問題が。。しかし、確実に問題をつぶしていく。
この部分の詳細はお客様情報がかなり絡んでくる事と、私たちの会社のノウハウとなるため、詳しく書くことができません。ごめんなさいね。
とはいいながら、せっかくなのでひとつだけトラブルの内容を書ける範囲で書きますね。多少技術的になるので、わからない方は雰囲気だけ味わって頂ければと思います。
問題:ケーブルを接続してもリンクがアップしない
持参したT1 PRI のケーブルをもってきてシステム間を接続しましたが、そもそもレイヤー1からうんともすんともいいません。当初、既存システムのベンダーさんからは、
「NTTのINS1500の仕様に準拠していればつながります」
とお聞きしていたので、T1のクロスケーブルを用意しておりました。これは、8本ある芯線の1,2番と4,5番をクロスさせているケーブルです。
しかし、全く状態がUpしない。。。
ストレートのケーブルにしても変わりません。とにかく、物理的に接続してリンクがあがらないことには、その先のテストもやりようがありません。
物理層の時点でうまくいっていないということは、明らかにケーブルのピン配列がおかしいという点が疑わしいと言うことになります。別途立ち会いに来ていただいた配線業者さんが、いろいろとケーブルを作りはじめてくれます。それらのケーブルで試ますがうまくいきません。1本だけ、機器のLEDが点灯したのですが、ログを見るとやはりだめ。
マシン室内にイヤーな空気が流れ始めました。すると、既存システムのベンダーさんが、実は既存のシステムのピン配置が独自であるという話をし始めました。。
え????
聞いてないんですけど。。。事前に質問したのに。。。
そこからベンダーさんがピン配列の情報収集に入ります。その情報を聞いて、立ち会いに来ていただいていた配線業者さんがピンの配列を紙にかき、ケーブルを作成していきます。昔、異機種間で電話交換機を相互接続するときは、普通に現場でピンを合わせていたのですよね。弊社のエンジニアは、そのへんの経験がない人が多く、ちょっと驚いていました。まあ、そういう現場合わせなどをしなくても良いように、規格があるわけですからね。。。。
その結果、なんと!リンクがアップしました。そのピン配列がどうだったのか。それはここでは書きません。けど、
「え?そんなピン配列なんですか?」
とびっくりしてしまったことだけ、書いておきます。
その後、すべてのステップでいろいろなトラブルがあったのですが、参加してもらったすべての人が活躍して最終的には相互接続できそうだ、というところまで確認ができました。いやーー、よかった!
お客様も一安心です。
これを受けて、今度は細かい通話テストをしていきます。今回はあくまで簡単なテストしかしていないので、業務で使われている様々なパターンのコールが問題ないか確認していく必要があります。
このプロジェクトも大分大詰めを迎えてきました。とはいえ、気を抜かずに最後までやりきって見せます。
ファイ!
日々感謝 m(_ _)m