FMCサービスの光と影
【FMC:Fixed Mobile Convergence】
携帯電話を家の中では固定電話の子機として使えるといったような、移動体通信と有線通信を融合した通信サービスの形態。(e-Wordsより)
FMCサービスをWebで検索すると上記のような解説がありますが、電話業界の人達がFMCと言う言葉を聞くと
「モバイル通信業者が提供しているサービスで、携帯電話を会社の内線電話と同様に扱うサービス」
というように理解します。このサービスはNTTドコモ、ソフトバンク、AU−KDDIの3社とも提供しており、それぞれのホームページでサービスが紹介されています。、
ドコモ :オフィスリンク
ソフバン:FMCソリューション
AU-KDDI :FMCサービス
このサービスの何が良いのか。
会社務めをしている人であれば、会社にビジネス電話がだいたい設置されていると思います。そこには、03-xxxx-xxxxのような外線の他に、社内専用の内線網というのが構築されており、内線番号という会社内専用の番号で電話をかけて通話するということがよくあるのではと思います。FMCは、出先の携帯電話に内線番号でかけることができてしまうというものなのです。
しかも、この内線通話料は無料。(基本料などの固定費はかかりますが)これは便利ですね。外にいても内線で社内に電話できるわけですからね。もちろんFMC契約している携帯電話から外線の発着信も可能です。
しかし、世の中どのようなシステムであっても、いいことばかりではありません。このFMCを採用するとなった時点で、社内の内線電話システムを設計している人は多いに悩まされることがあるのです。
まずは番号計画。通常、社内の内線電話では、外線発信のときには0発、拠点間内線発信のときには頭に例えば8とか9とかの特番を押してから内線番号をダイヤルしたりします。この同じ発信ルールをFMC契約した携帯電話でも適用できるかというと、モバイル通信業者によっては融通がききません。
そのため、社内の電話機での内線のかけ方と、携帯電話からの内線のかけ方が変わってきたりします。
また、電話が鳴っていて、だれもとれないとき他の電話から代理応答するとき「ピックアップ」という操作を行ったりしますが、携帯電話から内線電話機の着信をピックアップすることはほぼできません。(電話システムによっては、特別なアプリを携帯にインストールすることで可能になる場合がありますが)また、転送操作も煩雑です。最初にお決まりのダイヤル番号を押してから転送先番号を入力したりします。
さらに、携帯電話に対する着信番号が、通信業者によって異なるルールや仕様を持っていたりします。普通、携帯電話の電話帳に相手の電話番号と名前を登録しておけば、着信時に名前が表示されます。しかし、その相手が外線からかけてきたのか内線からかけてきたのかで表示が変わってしまいます。どちらからの着信でも名前を表示させようと思ったら、電話帳に内線と外線の両方を登録しなければなりません。
携帯電話のみで内線網を構築するのであれば悪くはないと思うのですが、内線電話システムと相互接続するとなるといろいろと面倒くさいことががでてきたりします。
大きい会社だと、災害時特定のキャリアがアウトになったときのことを想定してマルチキャリアにすることがあります。その場合、さらに番号計画が複雑になります。それに、異なるFMC端末間の通話には通話料がかかってしまいます。
このサービスを導入されるお客様はだいたいランニングコスト削減が大きな目標だったりします。それが思うように進まない恐れがあります。
3社ともそれぞれに特徴があるんだよなぁ。そう、「光と影」がね。
光はともかく、リアルな「影」はここでは書けないなぁ。。。
とまあ、プロジェクトの真っただ中のYO茶はこんな時間でも負けずにブログを更新していたのでした。
さすがに寝よう。
おやすみなさい。
日々感謝 m(_ _)m