センター試験まで浸食されている
今年のセンター試験の問題の中で、我が目を疑うような問題があった。
現代社会 の問1 設問3である。
日本における参政権に関する記述として適当でないものを選べというものである。選択肢は以下の4つ。
1.国民投票法上、憲法改正の国民投票の投票資格は、国政選挙の選挙権年齢が満18歳以上に改正されるまで、満20歳以上の国民に認められる。
2.被選挙権は、衆議院議員については満25歳以上、参議院議員については満30歳以上の国民に認められている。
3.最高裁判所は、外国人のうちの永住者等に対して、地方選挙の選挙権を法律で付与することは、憲法上禁止されていないとしている。
4.衆議院議員選挙において、小選挙区で立候補した者が比例代表区で重複して立候補することは、禁止されている。
おぉ、永住外国人地方参政権について問題が出ているではないか!最高裁は憲法上違憲ではないという見解を出しているし、答えは当然3ではないか。
ん?4も明らかに間違っている。
回答が2つあるぞ。解答を見ると。。4になっている???
おかしいではないか。平成7年の裁判で、明確に「参政権は国民主権に由来し認められるものであるから、その享有主体は憲法上日本国籍を有する国民に限られる」と判決がでているじゃないか。
この選択肢は、「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である」という本判決の傍論を論拠にしている。本来傍論は判決とは関係のない裁判官の見解であり、法的になんら意味がない。
明らかに3も適切ではない。
大学受験生の中で3.の問題の本質を正確に理解している人はそこまで多くないのではないかと考える。それだけに、この問題を解いた受験生は、他の3つは正解なんだ、と認識してしまうことに重大な問題がある。
これが意図されたものであるのであれば、非常に深刻な事態であると考える。
本質をきちんと理解していない人が問題を作ったに違いない。ただ、その問題をチェックする人達が必ずいるはずである。その人達の認識はいったいどうなっているのであろうか。
この点、必ず問い合わせを行う。
#日々感謝 m(_ _)m