普天間基地移設問題は完全に袋小路へ

先日、名護市市長選挙において、基地移設受け入れ反対派の稲嶺進氏が現職で推進派の島袋吉和氏を僅差で破り初当選した。

名護市の民意は、僅差とはいえ、基地受け入れを拒否するという結果となった。

元々県外移設を公約していたし、名護市の結果によってさらに世論を県外移設に傾かせようという昨年の衆議院選前のシナリオ通りになったのであろうが、これで鳩山政権は、本当に落としどころを失ってしまった。

今年５月までに結論を出すとアメリカに約束しているが、アメリカが納得してくれるのは自民党政権時代に決定していた辺野古への移設案のみ。これ以外に応じるつもりはなさそうである。
名護市長選の前に決着しておけば仮に今回の結果が出てもまだ進めやすかったと思う。それを「民意を聞いてから」と結論を遅らせたがために自分の首を締める形になった。

今から辺野古を選択したら、公約違反というだけでなく、民意を反故にしたということになる。それでも押し進める覚悟が民主党にはあるか。そこまでの腹はくくれないだろう。

そうなってしまえば、長年かかって導きだした、決して優や良ではないが、まあ可である案をいさましく蹴り飛ばしたはいいが代替案がなく結局現状維持になるという最悪の結果となる。

政府には、５月末までにアメリカに提出し、納得させられるだけの回答をきちんとしてほしい。

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