dial-peerは奥が深い
ある案件で特定の条件を満たすdial-peerの設計を考える事がありました。あらためてだけど、dial-peerは奥が深いなあと感じます。
基本中の基本ですが、incomingのdial-peerでどのdial-peerを選ぶのかというルールがあります。
(というか、voice gatewayを音声が抜けるとき、dial-peerは着信dial-peerと発信dial-peerが選ばれます。書くまでもない基本ですけど、念のため。)
- DNISもしくはANIに値があるか?なければ着信ポートがincoming dial-peerとして選択される。
- 次にDNISとincoming called-numberコマンドで設定されたパターンがマッチした場合、そのdial-peerが選択される。
- 2.を満たさない場合、answer address コマンドで設定されたパターンとANIがマッチした場合、そのdial-peerが選択される。
- 3.が満たされない場合、destination-pattern コマンドで設定されたパターンとANIがマッチした場合、そのdial-peerが選択される。
- 4.も満たされない場合、着信ポートがincoming dial-peerとして選択される。
発信dial-peerの選択は着信よりもクリアです。destination-patternコマンドで設定されたパターンとDNISがマッチした場合、そのdial-peerが選択されます。
上記はあくまで基本ルールで、マッチするdial-peerが複数存在する場合はLongest matchのものが選ばれるなど、さらにいろんな条件を経てdial-peerは選択されます。
この基本ルールがきちんと腹に落ちていないと、実案件のdial-peerの設計はできません。お客様の要望は実に多種多様。中にはまるでパズルを解くような要望もあったりします。
今回の要望もそんな感じ。けど、そのパズルが解けたとき、「よしっ!」と心の中でガッツポーズです。
しかし、vioce系のコマンドって、ほんといろいろあるなあ。例えば、、
ccm-manager music-on-hold
voice call send-alert
voip-incoming translation-profile
call preserve
なんて、R&S 系のエンジニアは一生お目にかかることのないようなコマンドなんだろうなあ。
お客さんの細かい要件は書く事ができないのですが、Voice エンジニアはCUCM(CiscoのIP-PBX)だけがわかっているだけではだめで、VoIPのことだってきちんと理解しておかなければならないのです。どちらかだけでもだめ。両方がきっちり理解できていないとだめなのです。これにVoiceMailシステムやプレゼンスシステム、電話会議システムにビデオ会議システム、コンタクトセンターなどなど。
範囲広すぎ・・・
Voiceエンジニアって本当に少なくって、おそらくCisco Voice業界ではできる人達を聞くとだいたい何人かの決まった名前が聞かれます。
ネットワークエンジニアって、私からすると山のようにいて、優秀な人もそれはまあたくさんいます。なので「ネットワーク業界での」トップエンジニアになるのはかなり険しい道だと思うのです。しかしVoice業界はエンジニアの絶対人数が少ないので、がんばれば「業界での」トップエンジニアになれる可能性は格段に高いと思います。それにできる人は求められますからキャリアパスとしてはありだとおもうのですがね。
#日々感謝 m(_ _)m