YO茶の足跡残す日記

日々感謝の気持ちで、思う事をいろいろ書いていきます。

映画「プリンセス トヨトミ」を見てきた(ネタばれあり)(少し追記・修正しました)

毎月1日は「映画の日」。映画が1000円で見られる日です。そういったこともあり、本日楽しみにしていた「プリンセス トヨトミ」を見に行きました。



この作品、既に小説を読んでいることもあり、小説とどの程度内容が異なるのか、同じなのかということも楽しみでした。



あらすじの説明はここでは書きません。自分の感じたことだけ、書いていきます。ネタばれになる部分もありますので、これからこの映画をみるんだという方は読み飛ばしてください。


ただひとつだけ!映画も小説もまだという方は、「映画」→「小説」の順を強くお薦めします。
























さて、映画の感想です。



正直なところ、どういう言葉を使えば感想を伝えられるか悩みました。いろいろ考えた結果、


「可もなく不可もなく」


が私の中ではもっともしっくりいくかな、と思いました。



小説を読んでいたことである程度内容がわかっており、心が満たされていたのかもしれませんが、必要以上の驚きというものはありませんでした。



小説と映画では、細かいところでストーリー進行が異なります。映画は限られた時間の中で表現しなければならないので仕方のないことですが、やはりいろんな内容をグッと詰め込むためにストーリー展開をいくつか作り変えています。



例えば、会計検査院の凄腕検査官「鬼の松平」達が財団法人「OJO」という組織を怪しいと感じ、調査していくことになったきっかけや過程。小説ではOJOの職員が最初から大阪国議事堂まで松平を通してしまいます。映画では、事務所に職員を配置させ、偽装しようとします。このあたりの進め方は映画のほうがもっともらしい気もします。



大きな違いとしては、会計検査院の職員であるミラクル鳥居と旭ゲーンズブールのキャストがあります。



ミラクル鳥居について、小説と映画ではそれぞれ次のような感じです。


【小説】
30歳くらいの男性、背が低く、太り気味。中学生に間違えられるくらい。人懐っこく、どこか憎めないキャラ。ややKY。


【映画】
女性、おっちょこちょいで食欲旺盛。他人の困ったことに口を出さずにはいられない性格。演じたのは綾瀬はるかさん。




旭ゲーンズブールについて、小説と映画ではそれぞれ次のような感じです。


【小説】
女性、日本人とフランス人のハーフ。外人と間違えられる容姿。内閣法制局への出向経験をもつ才女。国家公務員同期全体のトップの成績で合格。とにかく優秀。鳥居のことをうっとおしく思っている。


【映画】
男性、ハーフ。優秀。やはり鳥居のことをうっとおしく思っている。


小説の表紙です。


映画ではこんな感じです。

(MOVIE Collectionより)



男女が逆なのです。今回の一件を引き起こすために裏で糸をひいたのは旭ですが、その背景にあるものが大きくちがいます。小説を読んでいたとき、私は旭ゲーンズブールの配役には滝川クリステルさんをイメージしていました。年齢的にはちがうのでしょうが、容姿はぴったりじゃないかと思ったんですよね。



小説では、旭が大阪国の存在を見たかったという思いがあったことに加え、過去歴代の総理大臣がアンタッチャブルとしていた大阪国の存在に終止符を打てるかもしれないといった思惑が背後に隠れていたりします。そのあたりが映画では表現されておらず、純粋に旭個人の「大阪国は日本国から独立すべきだ」という思いから行動に至ったとされています。



キャストのしがらみなどがあったのでしょうが、やはり鳥居と旭のキャストで男女を入れ替えるというのはやめてほしかったなー。



豊臣家の末裔とされる橋場茶子が日本国によって捕えられたことで大阪国国民が決起するのですが、そのきっかけとなったシーンも異なります。



【小説】
茶子の幼馴染である真田大輔が小さい頃から「女の子になりたい」と思い続け、ある日セーラー服で学校に登校したためにワルの蜂須賀から暴行を受ける。それを聞いた茶子は蜂須賀に飛び蹴りをくらわして鼻を折ってしまう。


それでも大輔へのいやがらせをやめない蜂須賀に制裁を加えるため、自宅の蜂須賀組事務所に茶子が殴り込みに行く。消化器などをまきちらしたりして茶子は事務所の中をぐちゃぐちゃにしてしまう。この騒ぎのために近所の人が警察に通報し、補導される。


このとき、(旭が裏で手をまわし)松平の隠し子が茶子だというガセをつかまされた鳥居は茶子ちゃんに会いに行き、その流れで仲間と間違えられて一緒に補導されてしまう。(アクシデントで上着がドロドロになり、大輔の学校のジャージを借りていたために間違われた)



【映画】
茶子の幼馴染である真田大輔が小さい頃から「女の子になりたい」と思い続け、ある日セーラー服で学校に登校したためにワルの蜂須賀から暴行を受ける。それを聞いた茶子は蜂須賀に飛び蹴りをくらわして鼻を折ってしまう。



(Movie Walkerより)


それに対し蜂須賀は大輔に「茶子に報復をされたくなかったら自分の事務所の代紋を奪ってみろ」と無茶な要求をする。
その場に偶然居合わせた鳥居は、茶子ちゃんにうっかりそのことを話してしまう。


茶子ちゃんはそれを聞きバットを持って殴り込みにいく。蜂須賀組事務所に殴りこむ直前、鳥居がタクシーでかけつけ、やめさせるために無理やりタクシーに乗せて自分が宿泊したホテルに帰ってしまう。このとき会計検査院の身分証を現場に落としたことから「プリンセスが会計検査院によって拉致された」と伝わってしまう。



(Movie Walkerより)




とまあ、いろいろと違いはあります。





メインのシーンでもある、大阪国の国民が立ち上がり、集結する部分の表現はすばらしかったと思います。



なんせ、大阪中の大阪国国民男性がそれまでしかかっていることを全部投げ出して大阪府庁へ移動していくわけですから。そのときの合図が「ひょうたん」。面白かったのは、関西ローカルのスーパーニュースアンカーで、美人アナウンサー村西理恵さんがニュースを伝えている途中でヒョイとひょうたんを机に置くところです。スーパーニュースアンカーYoutubeでよく見ているのでなんかうれしかったです。


ちなみに村西さんはこんな方です。あ、メインキャスターのヤマヒロさんも出てましたよ。(確か、大阪府庁に集結した場面でも出ていたような・・)


ヤマヒロさん、村西さんはこんな方です。








一番のみどころは会計検査院松平と大阪国総理大臣真田との大阪府庁前でのやりとり。



このシーンはすばらしかった。ウルッときた。(ちなみに小説でもウルッときた。)



父親と息子の2人だけで長時間話をすることなんてまあない。大阪国の事実はその親子の間で、象徴たる「大阪国国会議事堂」へ向かう長い通路の中で語り継がれる。その事実を子へ伝える時期は「親が死を確信したとき。」その想いを子へ託していく。ここまでの決意を子は決して忘れられない。



映画の中の話とはいえ、「こういうの、いいなぁ」と思いました。自分は親父から何かを「言葉で」託されたか。言葉では明確にはなかったけど、これまでの生き方から自分なりに感じ取ってきたつもりです。それでいいとは思っているけど、こういう明確な「親から子へ語り継ぎ、託す」ものがあるというのはとても素敵だと思いました。




松平を演じた堤真一さん、真田を演じた中井貴一さんはさすがです。本当にすばらしかった。




(映画.comより)




最後にちょっとだけ「おっ!?」と思ったのが、大阪城の下でやっているたこ焼き屋さんの販売員が玉木宏さんでした。チョイ役で出てましたが、「そんな男前がやってへんやろー」と思ってしまいましたw




(映画.comより)




しかし、それにしてもこの話、本当にあったらすごい話だと思いますね。実はほんとだったりして??



最後に総括。映画としてはまずまずだと思います。時間があれば、ご覧になってみてはいかがでしょうか。あ、くどいですが小説は映画を見たあとのほうがいいですね。そうしないと映画がずいぶん「はしょって作られた」という印象を受けてしまいます。




#日々感謝 m(_ _)m